(各国の入国検疫の状況について末尾に追記)7/13追記:島根県知事がこの問題を指摘した。TBS News, 7月12日 #抗原検査の感度はPCR検査の1,000分の1
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オミクロン株は国内で発生したわけではないので、抗原検査というザル検疫で易々と入れてしまったのが原因だ。昨年末には、検疫が感度の低い(PCR検査の1,000分の1)抗原検査をPCRに変えるよう野党などが要求したが、尻切れトンボになり、今年の急拡大と1万人もの死者(実際はおそらくもっと多い)を出してしまった。当然岸田内閣の大失政だが、ほとんど追及もなく、ついこの間まで高支持率などと言われていた。
ところが6月からは、観光客の受け入れなど入国者数を増やすことにしたのに、検査方法を改めるどころか、大量の国を無検査にしてしまった。アメリカ、カナダ、ヨーロッパの主要国のほとんどは、入国時の検査はない。その結果大量の感染者がフリーパスになっていることは、次のグラフで明らかだと、12日の記事に書いた。再掲する。
右の空白の四角は、誰が考えても、実際に減ったのではなく、感染者が素通りしたということだろう。入国者は増えているので、おそらくこの空白の面積以上に。
(6/28追記)上のグラフを更新したものを使った記事が、28日の「しんぶん赤旗」に出ました。
これら入国時フリーパスの人も、出発国での検査証明書は必須だが、その検査でも、次のとおり抗原検査を認めている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00248.html#h2_free4
現在、国内も相当なレベルのコロナ汚染状況なので、それよりも「濃度」、つまり人口あたりコロナ感染者が少ない国からは無検査で良いというのなら理屈は通る(もちろん新たな変異株の問題は別)。しかし、次のグラフからも分かるように(縦軸は対数目盛)、北米では米国、ヨーロッパの主要国が、日本より高汚染であるのにフリーになっている。驚くのはこの2ヶ月ほどで急増した台湾も。逆に低いインドは義務化している。全く訳が分からない。
https://ourworldindata.org/covid-cases
空港検疫が抗原検査かPCRか確かめようとして、厚労省の窓口に6月9日頃電話した。
03-5253-1111(代表)
「専門の窓口に聞け」と「検疫」の番号0120-565-653を教えられるが、今度は、ここではわからないと、また4本の電話番号を示される。
うち一つに電話。「委託を受けているコールセンターです」「pcrか抗原検査かこちらでは把握していない。空港に聞け」と。
仕方なく福岡空港の福岡検疫所福岡空港検疫所支所(検疫および健康関係 092-477-0207)に電話(10日午後)。
検査は「抗原検査またはPCR検査」(そんなことは分かっている)、どちらかは「公表していない」という。理由を聞くと、「対策を取られると困ることもある」と?
「頭脳」が不在の、デタラメ千万のコロナ対策、入国管理。メディアは追及してください。
追記
外国の多くが入国時検査をやめてしまっているようなので、日本もそれに合わせたということかも知れない。たとえば、旅行会社のサイトに各国の状況が紹介されている。
ヨーロッパ各国の検査についてはこちら。
https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12206#country_list
英国、スイス、イタリア、オランダなどは検査を廃止している。
北米も、アメリカが検査なし。しかしカナダは検査を実施している。
https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12205
上のグラフで、カナダが感染を低く抑えているのは、これが原因かも知れない。
オセアニアでは、ニュージーランドと島嶼国が検査必須だが、オーストラリアは検査なし。
https://www.tokutenryoko.com/news/passage/12203
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